「東京三大どら焼き」と「シルバーブリット/ silver bullet」の関係

東京三大どら焼きの一つ、東十条 草月の「黒松」を買ってみました。

珍しいトラ模様の皮がふわふわ♪、黒糖の苦味が効いた餡が大人の味でそれは美味だった・・・ということはさておき、この「黒松」とマーケティング用語でいう「シルバーブリット」の関係とは?

これが「黒松」。30分並んでようやく買えました!→

 

「シルバーブリット/silver bullet」とは?

この言葉を聞いたことがある人は、わりとマーケティング通(?)かもしれない。数あるマーケティング用語の中でもディープな部類に入る。

「シルバーブリット(silver bullet)」は、原語で「銀の弾丸」という意味。マーケティング用語としての意味は、超簡単に一言でまとめてしまうと、

商品名>会社名

となる場合のことを言う。

(詳細は以前紹介した記事へ http://frondia.co.jp/terminology/silver-bullet

つまり、会社よりも商品の方が断然知られている状態で、そういう商品のことをその会社にとっての「シルバーブリット」と呼ぶ。

「シルバーブリット」であるということは、その商品が「ものスゴく強い」ということ。誰が作っているか?はあまり関係なく、商品の良さだけで売れていく

よく言われる例では、アサヒの「スーパードライ」シャープの「アクオス」ライオンの「バファリン」などがある。

「シルバーブリット」を身近な和菓子屋さんで発見!

「シルバーブリット」を作り出せるのは何も大企業だけではない。
伝統的な和菓子屋さんにも「シルバーブリット」を発見。

それが「東京三大どら焼き」の一つである「黒松」。

「東京三大どら焼き」については、下記の記事をご参照。

東京三大どら焼き 「うさぎや・亀十・草月」と東京の人気店 – 2リズム

一応、経緯を説明すると、先日とある事情で三大どら焼きのうちの一つ「うさぎや」のどら焼きを実食する機会があり、ノリで第2弾を買いに東十条まで行ってきた。

お店の名前は「草月」という。でも、店名である「草月」よりも、商品名である「黒松」の方がはるかに目立っている。

  • 看板には店名「草月」の上に「黒松本舗」と記載。
  • 食生活ジャーナリストの岸朝子さんが「黒松、おいしゅうございます」と色紙に書いてお店に進呈。
  • 店内には落雁など他のお菓子も並んでいるが、9割の客が「黒松」を箱買いしていく。

おそらく、どら焼きを買いに来た多くの人が、店名の「草月」よりも「黒松」の名前を強く認識しているにちがいない。

つまり、

「黒松」>「草月」

である。

「黒松」という商品が、競合ひしめく和菓子業界を「銀の弾丸」ごとく切り開き、「草月」という店を一大有名店に引っ張りあげた。

だから、「黒松」は「草月」にとっての「シルバーブリット」、ということになる。

ちなみに他の三大どら焼き店では、「シルバーブリット」の構造になっていない。

「うさぎや」=うさぎやのどら焼き
「亀十」=亀十のどら焼き

つまり、

「店名」=「商品名」

である。

「シルバーブリット」は何故良いのか?

「シルバーブリット」だから良いとか悪いとかいうことはない。「うさぎや」や「亀十」のように、店の代表商品と店名が一致しているのはそれはそれでシンプルで強い構造である。

一方「シルバーブリット」にするメリットは、店や会社などの企業体に引きずられずに商品そのものの良さで勝負できる、ということ。

例えれば「初代運」的な生き方

家柄だとか親の職業だとかは関係なく自らの道を切り開いていく。
親の擁護はあまり受けられないので最初は厳しいが、大きく成功すれば自身のステイタスが上がるのはもちろん、親も「〇〇さんのご両親」としてご近所に知られ、たっぷり親孝行ができることとなる。

失敗するリスクも大きい代わりに成功したら一発逆転可能な商品/サービス、

それが「シルバーブリット」である。

 


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